丁子屋 十四代目ブログ

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カテゴリー:十四代目のひとりごと

変えちゃいけない価値観

十四代目のひとりごと

人間の価値観って勝手だ。

時代が変われば価値観も変わるもので、

というか価値観が変わることを「時代が変わる」と、表現するんだろうな、とか思います。

 

 

丁子屋で言ってみれば

50年前は大反対されながら移築した茅葺古民家も、今では文化庁も「国民的財産」と認めてくれた文化財になってたりして。

 

でも身の回りの当たり前の中にこそ、実はとても大切なものがあったりするんじゃないかなと思う。

 

 

ただし、身の回りはとても変化が早い。

便利になることは当然歓迎したい。

変わること=発展=素晴らしいこと

と全ての変化をそう捉えてしまうのは怖さもあるなと感じる。

 

 

だからこそ、何を残して、何を残さないのか。

ブレない判断基準があった方が良い。

「振り返れば未来が見える」という祖父の言葉が響いてきた。

 

 

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この夏休み、妻の帰省を利用して、話題の大阪万博に行ってきました。

人工心臓もすごかった。そう遠くはない未来に今まで救えなかった命が救われるはず。

 

 

でも個人的に何が良かったって、

大屋根リングからの夕焼けをみんなで見れたことかな。

 

 

さらにその帰り

1970年の万博会場にある岡本太郎さんの太陽の塔の中にも入ってきました。

 

過去➡︎現在➡︎未来

という万博テーマに加え太郎さんが加えた

「人間の身体、精神のうちには、いつでも人類の過去、現在、未来が一体になって輪廻している」

 

太陽の塔について語られているのはこれだけで、あとは自由に感じてくださいとのことでした。

 

 

1番最初の「過去:根源」というテーマにあったのは

「いのち・ひと・いのり」

 

55年前の万博の中心にあって、何を大事にすべきか、変えちゃいけない価値観を示されてるように感じた。

語らずして語る太陽の塔

 

 

 

 

奇しくも万博が開かれた1970年は丁子屋が法人化した年でもあり、茅葺移築を開始した年。

半農半商だった柴山商店から企業としての転換期の始まりの年でもあります。

 

満洲への出征、4年に及ぶシベリア抑留からの帰国、その後婿入りした祖父が中心となり、世間の価値観とは逆行して茅葺を移築。

 

変わりゆく価値観の中で、変えちゃいけないなと思うこと。

 

そして世界的にみても変えちゃいけない価値観だなと、原爆の日、広島市長の平和宣言を見ながら思いました。

 

 

いのち、ひと、いのり

 

 

 

戦争はいらない。

人との出会いを大切に。

 

終戦の日に他界した祖父にも通じるものがあるなあと感じます。

太郎さんと12代目祖父と私。

全然覚えてないのがもったいない!

 

材料を楽しむ「エン」に関する特別展示

十四代目のひとりごと

11月から始まった今回の改修事業

解体➡︎大工➡︎佐官➡︎和紙➡︎電気➡︎大工➡︎照明

と、約2ヶ月に渡り作業が進められています。

 

 

その間、隣接する囲炉裏の部屋「芭蕉さんの部屋」には様々な職人さん達の音が聞こえてきます。

音を聞きながら、実際の素材に触れたりできたら、その作業をより具体的にイメージできて面白いなということで、芭蕉さんの部屋に展示ブースを設けてもらいました。

 

 

 

今回の取組は建築士の大橋さんよりつながっていった職人さんたちのご縁。色んな職人さんたちの協働作業です。それぞれに扱う材料も道具も違います。

とろろで言ったら「自然薯」や「カツオだし」「みそ」のように、それぞれの素材があります。

 

 

●その素材感を感じてもらおう

●皆さんの思いや取組みも、ほんの一部かもしれないけど、それらも伝えたい!

というのがこの展示の狙いです。

 

 

※若干読みづらいかもですが拡大して読んでみてください。

最後まで読んでもらえるとこの取組の「見どころ」が伝わると思います。

 

 

野沢工務店さんによるかんな削り体験も好評です♪

 

建築士の大橋さんはもともと丁子屋のお客さん。

たった1人との出会いから、

その周りにあるエンにつながり、

自分では想像もつかないような表現に辿り着きます。

 

 

少しずつ形になる楽しさの反面、

職人さん達が出入りするこの環境が終わるのかと、少し寂しくもあります。

 

でも、

完成してからは丁子屋とお客様、

そしてこれからつながっていく時間の中で、

ここだけの空間として愛してもえらえればいいなと思います。

 

そしてまた新しいエンが広がりますように。

 

 

丁子屋より徒歩10分、

少し足を運んでもらえると「駿府の工房 匠宿」さんでも職人さん達の息づかいを感じる展示が行われてます。

#大橋史人  #野沢工務店 #ハタノワタル #リルグ #丁子屋 #東海道五十三次 #資料室トイレ #丸子 #東海道五十七次 #匠宿

First alone,Far together

十四代目のひとりごと

早く行きたければ1人で行け、

遠くへ行きたければみんなで行け

 

今年教えてもらったのですが、これはアフリカのことわざなんだそうです。

 

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早いもので社長になってからもうすぐ丸4年が経ちますが、その意味が近頃しみじみと分かってきました。

 

10/12が歌川広重さんの命日なので、恩を忘れないようにとその日にし、覚えてもらいやすいからということで、オリンピックのあるはずだった2020年10月12日に社長になると決めました。

 

実際にはその年にコロナ禍に突入、オリンピックは延期、丁子屋としても1ヶ月以上に及ぶ休業など、経験したことのない局面を迎え、振り返るとすごく昔みたいな感覚です。

皆さんのおかげで何とかやって来れました。

ここ2〜3年は「自分は1人じゃない」って思えることがすごく多くて、それがどれだけ心強く、有難いことかと思っています。

 

 

最初の一年はとにかく「早く辞めたい!」って思いながらのしんどい一年でした。緊急事態宣言などもあり、何をしたら良いかもわからず、なんだか焦ってて。

 

そんな僕に

「まぁ落ち着いて」「焦ってもしゃあないから」

「指示してくれたら、みんなに伝えて動いてもらうから」

と、そう言って妻が寄り添ってくれました。。。

 

 

で、営業も再開

全スタッフの個別面談やミーティングを重ね、現場での作業の見直し、タイムカードの打ち方、ベースアップの仕方、手当の出し方などなど細かな&誰に対しても公平になるような業務改善を積み重ねてきました。

 

 

あげ出したらキリがないのですが。

特にスタッフへのムラのない対応については、妻がいなかったら絶対できてないだろうなと、

日々実感しながら、

そしてお尻叩かれながら(笑)、

そんな日常を、今も積み重ねています。

 

 

2006年の入社以前から赤字経営が続いており、なんとかしなきゃと焦っていたのを覚えています。

安い丼作ったり、品数多くした箱膳を使った結果、現場の作業を膨大に増えてしまった割には利益が残らんメニューだったり。

とろろ汁にこだわるのではなく、安いものや品数増やすなど目先のことに走った内容でしたね。

 

 

改善させたいのに、スタッフと一緒に動く関係性ができておらず空回りの連続でした。

●自分自身が現場作業を理解できていない

●全体が見えていない

●経営的な数字の把握や判断が不十分だった

●そのくせ、スタッフに耳を傾けて寄り添うことをしなかった。

●さらには、偉そうに自分が変えなきゃと、1人息巻いていた

などが原因だと、今は分析しています。

だいぶカッコ悪いですよねぇ

 

 

でもこの2〜3年は、

「1人じゃない」って思えることがすごく多くて、何かあればすぐに相談できる相手がいてくれます。

 

と言うか、

空回りしていた頃と違い、

自分1人じゃ何もできないことがわかったので

妻やスタッフはもちろん、

生産者であったり、

地域の方だったり、宿場の方だったり

同じ飲食店仲間だったり。

相談したり、協力してもらうことにしてます。

 

だから不必要に焦ることもなく、

まずは現状を見る、声を聞く、そして寄り添う

ということが少しはできるようになってきたのかなと思います。

 

その結果

自分自身と周囲の安心につながっているように思います。

「安心できる」ってすごい力強いなと感じます。

 

 

さらにこの頃では

問題が解決する&想いが形になる早さが早くなっているように思えます。

 

料理人でもない、

経営のことなんて大学で少しかじっただけ、

就職すらちゃんとしたことがない、

 

そんな僕ですが、入社から約20年。

社長になって5年目が始まります。

だいぶ楽しくなってきました♪

 

 

そして、早く行くのではなく

みんなで遠くへ行く。

 

 

 

仕事覚えが悪くても、ちょっとくらいどん臭くても(自分なんですけどね)

寄り添ってもらえる人がいる

 

 

丁子屋という船に乗船してくれてる人は

誰もが寄り添い安心し、

それぞれの役割に自信とプライドを持ち、

歩調を合わせながら同じ方向を見て進む。

 

歩調を合わせるために、時には耳の痛いことも言うし、言われるし、

寄り添う側は、気力も試されたりするけど。。

 

それでもみんなのおかげで、

ゆっくりとですが少しずつそんな船になってきてる気がします。

 

 

 

いつもありがとうございます!

日頃の感謝を込めて。

 

 

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