丁子屋 十四代目ブログ

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カテゴリー:自然薯のこと

みんなでブランドを高めあう静岡の自然薯栽培

自然薯のこと

 

「暑い」と言ってもレストランなんてやっぱり建物の中だし、クーラーはあるし。

農家さんに比べたらまだまだありがたい環境だよなーと、出かけるたびに思うのですが。。。

そんな暑い暑い自然薯畑の視察に行ってきました。

毎回十数名の農家さんの畑をみんなで回ります。

そんな中、とてもありがたい言葉が聞けました。

 

それは

「人の畑見て『ダメなとこ』を指摘するのは簡単さぁ。

でも俺らはそうじゃないよね。

その課題をどうやったら解決できるか、

みんなで悩んで、答え出し合える方がいいもんね!」

 

みんなで実際の畑を見て、

「これって病気かなー?」

「多分白絹病ですよ、根っこのとこに白い糸(菌糸)や白い粒(菌核)ないですか?」

「あったら周辺の土ごと掘りとった方がいいですよ、水分と共に流れて広がっていきますから」

 

のような会話がそこらじゅうから聞こえます。

そしてお互いの悩みや失敗談も披露しながら。

みんなの共有知識を高めていきます。

 

↑左:自然薯を乳酸発酵させる取組にチャレンジしてくれてる岡部の「かど万米店」増田さんも同行

↑右:自然薯の「J」を形どるスギタファーム杉田くん。でも写真だと逆だから(笑)

 

自然薯にも花が咲きます。

8月初旬の畑には甘酸っぱい香りが広がっていました。

 

 

そして、

昨年できた静岡県自然薯研究会のグループLINEでは。。。

県内各地からの情報が共有され、情報交換が行われています。

実は最初の言葉を発してくれたのは、この研究会の現会長松下さん。

 

 

そんな思いの人たちが中心となり声かけしているため、

「静岡県の自然薯」はより美味しい自然薯に進化し続けています。

 

限りなく「日本一」に近いレベルへと

みんなで高め合っている会だと思います。

僕はそう思っています。

 

1977年に静岡県での自然薯栽培が始まって以来47年。

 

12、13、14代目と丁子屋は当初より生産者とともに歩んできました。

 

買い手、売り手という関係性から

時には言いたくないようなことも言わなきゃいけないし、耳の痛いことも言われたりもしましたが

 

それでもこの「自然薯」という

作物になりきらない植物にみんなで向き合ってきました。

 

「より美味しい自然薯を作りたい!」

「より美味しい自然薯を(お客様に)届けたい!」

 

それが僕たちの共通の目的だから、そのためには寄り添いながら、モノ言い合える関係を大切にしています。

 

 

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そして現在丁子屋では

栽培とはまた違う角度で自然薯の価値を高める取り組みを行っています。

 

①自然薯のGABAによる「機能性表示食品」の開発(2018年開始)

1日120gの自然薯を食べれば「高めの血圧が下がる」効果をうたった商品開発

➡来年度販売予定

協力:大晃さん/静環検査センターさん/フーズヘルスケアオープンイノベーションセンターさん/牧野美和さん

 

②自然薯を乳酸醗酵させた食材を活用したレストランの連携

他の山芋ではうまくいかなかったが、自然薯を乳酸発酵させることで、美味しい食材が出来上がる?!(静岡県農林技術研究所さん)

という発見をもとに、とろろ以外の形で乳酸醗酵自然薯を活用した商品開発を進めている

➡来年度各店舗にて販売予定

協力:かど万米店さん/おくにらーめんさん/テラコスタさん/静岡県農林技術研究所さん/マリンオープンイノベーション機構さん

 

 

 

ぜひそんな僕たちの自然薯「60号」を召し上がって下さい。

「60号」という名前の由来についてはこちらから↓

第1回静岡県自然薯ミーティング開催!

#静岡県はとろろ県 #自然薯 #60号 #静岡県自然薯研究会 #テラコスタ #おくにラーメン #かど万米店 #丁子屋 #静岡県農業技術研究所 #静岡県産業振興財団 #マリンオープンイノベーション機構

そこには❤️がある

自然薯のこと

【愛がある】

この絵は先日、地元小学校で講師として呼ばれた際、帰り際に1人の女の子が恥ずかしそうに渡してくれた絵です。

1番大切にしてることが伝わってよかったと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話は急展開しますが。。。

 

 

先日第36回静岡県自然薯品評会が行われ、審査員として参加いたしました。

県内各地から集まった参加者は46名。

 

自慢の1本を「味」「香り」「粘り」「見た目」「灰汁(アク)」で審査します。さらにどんな工程で作られているかを示すトレーサビリティ(栽培履歴)も義務化されています。

 

結果から言うと

丁子屋と取引いただいてる生産者18名中、上位入賞者が7名!

おめでとうございます!

1等 松下さん(菊川市)、増田さん(牧之原市)
2等 西井さん(牧之原市)、松本さん(菊川市)
3等 松村さん、長谷川正治さん、山村さん(牧之原市)

 

ほんとこれはすごい!

参加件数こそ10年前から比べると半分以下に減ってはいますが、品質は格段に上がっています。

そして上がり続けています。

 

【じねんじょ愛がある】

各自の努力もそうですが、生産者の情報共有意識がすごく強くなっていると思います。

その一つとして自然薯研究会では今年から、共通のLINEグループを組んでいます。

 

県内各地の今の畑の状況、病気の状況、それに対して効果のある肥料や堆肥、農薬の情報など、

いつでも聞ける体制が築かれつつあります。

 

いわば全員がライバル同士なんですが、それを超えて「おいしい自然薯を作ろう」という空気が流れています。

 

品評会当日、審査項目として提出されるトレサビも即座に共有されていました。

それぞれの栽培履歴が誰かの参考になります。

 

このLINEの立ち上げ、諸々の情報共有を担ってくれてるなかじま自然薯園さん

いつもありがとうございます!

 

当日の様子は杉田ファームさんのYouTube「うますぎたチャンネル」でどうぞ↓

 

 

個人的には

なんか知らんけどクセになる「すぎた、すぎた、ウマスギタ」だけでも聞いてほしいです。

 

1本ずつと向き合う審査員も真剣そのもの。

 

今回審査員として初参加となるとテラコスタさん(中)、昨年より参加のおくにらーめんさん(右)、左が丁子屋。

以前より考えていた

とろろ屋以外にも、イタリアンや和食など様々なジャンルの料理人さんに審査してもらいたいなーが実現しました。

ここにもあらたに「じねんじょ愛」が伝播してます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

収穫物全てがキレイで大きくて。。。。

というのは本当に難しくて。

 

 

生産者はこの数年は夏の暑さによる水分管理の難しさに直面しています。

人によっては植え付けの40%以上がボコボコと奇型だったり、傷みがあったりと言うのが実情です。

 

 

そうすると同じ1kgでも

A品として扱ってもらえたり、傷みがあれば金額の低いB,C品として扱われたりと。

 

同じ1年間の労力なのに

異なった評価(金額)をつけられざるを得ません。

買い手市場なのは仕方のない仕組みなのかもしれませんが。

 

 

 

 

 

 

 

そこで今年は

ボコボコになっている部分も買い付けよう!

ということで、扱いの幅を広げました。

ただし、

・すりおろした際に灰汁が出ないような場所

・加工処理に手間がかかるので丁子屋の作業費が増える分単価は下げさせてもらう

 

 

来週から本格的に始まる入荷を前に、

丁子屋の自然薯貯蔵担当者と生産者とで、「ここからは使える、ここまでは使えない」という真剣な話し合いが1時間くらい続きました。

 

それで収入が変わるし、自分たちの在庫具合も変わるので真剣にならざるを得ません。

 

でもそこには、

お互い時給換算できないやりがいがあるように思います。

 

 

 

 

【プライドもある】

生産者としては

少しでもたくさん買ってもらいたい。でもよくない自然薯を売るわけにはいかない。

 

 

貯蔵スタッフも、

たくさん買ってあげたいけど、下手なものは買えない。貯蔵途中で腐らせてしまうわけにもいかない。

 

でも、そうした対話をすることでお互い納得感を持ってより良い結果につながっていくように思います。

 

今シーズンの納品直前に、全生産者と丁子屋との感覚をそろえる。これを「目揃え会」(めぞろえかい)と呼んでいます。

 

こうして、品評会と翌日に行われる目揃え会を終わり、ようやく今シーズンの納品が始まります。

 

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今あることって、ほんと自分1人だけの力ではないなーと。

 

ほんとここ数年強く思います。

 

 

 

20〜30代の時はあまり感じなかったかもしれません。

それは自己満足的に自分の気持ちや、やってることの方に重きを置いちゃってたのかもしれません。

 

 

もう少しさかのぼると

何代にも渡る積み重ねがあるからこその

今の丁子屋としての認知度や技術であり、信頼のおける生産者との関係性があるなと感じています。

 

 

それぞれの代でいろいろな苦労も共有してきているし、

 

コミュニケーションが足りなかったり。

個人的には買い手としての勝手な考え方を押し付けてしまったりと

信用を失うような失敗も、僕自身は重ねてきています。

 

 

それでもまだまだ積み重ねて、広げ、深めていきたいと思っています。

 

だって、

自然薯を作ってもらえなかったら丁子屋のとろろはできないし。

 

取り扱ってもらえなかったら

いいもの作ったとしても、独りよがりだし。

 

 

だからこそ、

言いたいことを言い合える「お互い様」の関係性が成り立つんだと思います。

 

 

そして、

みんなで最幸の自然薯を目指しているし、

 

その結果

静岡県はとろろ県になるんだと思います。

 

 

 

 

あと。

 

ダメダメな自分をいつも快く受け入れてくれるみんなは本当にありがたいなと思います。

 

追伸

先日発表された「2024全国のプロが選ぶ観光食事施設100」

お陰様で昨年より1位ランクアップの9位をいただきました。生産者始め取引先、スタッフやお客さま、丁子屋に関わる皆様のおかげかと思います。

ありがとうございます。

 

 

まだまだ

 #東海道は生きている を体現していきます。

観光・食事・土産物施設100選

 

#静岡県はとろろ県 #静岡県自然薯研究会 #とろろ屋ととろ #尾白弁当 #テラコスタ #おくにらーめん #自然薯 #丁子屋 #うますぎたチャンネル 

恒例の自然薯産地視察 2023夏

自然薯のこと

丁子屋には現在17軒の自然薯契約農家さんがいます。

4~6月に植え付けを行い、11月~2月に収穫。8〜12月までも水や病気などの管理をしながら、来季の準備を進める。そして収穫が終わればまた植え付け。

 

で、年2回、植え付け後と収穫前に生産者同士が集まって、みんなの畑をまわりながら見学するツアーを設けています。

 

一言で「自然薯」といっても育つ環境はバラバラ。傾斜地もあれば風通しの悪いところもあったりと、水はけの良し悪しもかなり影響します。

 

その場所場所によって対応は異なるので、正解は一つではありません。

だからこそお互いの苦労と工夫を共有しあい、または質問や失敗もご披露いただきながらみんなで経験値を高めていきます。

だって年に1回しか経験を積めないなら、1人の経験を分かち合うことで何人分もの情報を得ることになります。

 

このメンバー内には、お互いの悩みと苦労を共有しあい、高めあうそんな空気が流れています。とてもありがたいことです。

 

 

膨らみ始めた自然薯の花

ほのかに甘酸っぱい香りがします。

 

 

 

「あ~だこ~だ」いいながら全員の畑を1日かけて回っていきます。

 

 

視察の間中、ずっと撮影をおこなうYouTuberきいとくんの[うますぎたチャンネル]もチェックお願いします↓スギタ・スギタ・ウマスギタ♪

https://www.youtube.com/@UMASUGITAFARM/videos
なんと英語の先生の資格を持つ彼は、英語でも自然薯を発信してくれてます。ぜひ登録お願いします。

 

 

写真はありませんが、女性だけで1,000本もの自然薯を栽培される方もいます。

毎回皆さんの苦労や工夫、思いに肌で触れ、僕としてはまだまだ頑張らなきゃな~という思いになるし、頭が上がらなくなります。

 

また、今回はうれしい報告がありました!

①長谷川製茶さん(左)のもとで2年間研修した山村さん(右)が独立

晴れて1人立ちし、丁子屋にも自然薯を納めてくれることになりました~。

②長谷川製茶さんのもとに、新たな研修生が!(中)

今年1月からはいってきたとのこと、こうご期待です!

 まだまだみんなのチャレンジと、可能性は広がります。

 

そして、今も昔も変わらず

丁子屋は生産者とともにあり続けていきたいです。

浮世絵の詳しい話はこちらから↓

広重版画を読み解く

 

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